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どうする?どうなる?

リレー小説
  
リレー小説は、ひとつの小説を複数の人が順次受け継いで書いていく小説です。
いろんな人の感性と想像力が絡み合い、ストーリーを完成へと導いていきます。

「トラベルサーカス」は書店の2階、いつも本が身近にあります。
作家を目指す訳ではないけど、小説を書いてみたい願望ってありますよね。
1人で書くのは大変だけど、みんなで書けば何とかなる!

と言うことで、トラベルサーカス版「リレー小説」をスタートします。
▼▼▼リレー小説のルールと応募要項▼▼▼
  • メールにて応募して下さい。選考の上UPします。メールのタイトルに 必ず
  • 「リレー小説応募」と明記して下さい。
  • 投稿形式はメールに直うち、又はテキストファイルの添付で。
  • 文字の拡大指定、色指定、外字等は原則的に受け付けません。
  • 自己紹介(名前又はハンドルネーム、年齢や職業・その他ショートPR)を公表できる範囲で記して下さい。
  • 採用されなかった原稿の返却は致しませんので、ご了承下さい。
  • 文字数は、2000字以内(400字原稿用紙5枚まで)、横書きで。
  • お1人で何回トライしてもOKです。
★★★ 応募はこちらから ★★★
E-mail: leap@travel-c.com

第1回目のテーマは「サスペンス」

祭りで賑わう白昼、オフィスで殺人事件が起こります。
出張中のはずの会長が、何故ここに?人知れずどうやって秘書室に入れたのか?
部屋には誰もいなかったのか?ちょっとした密室殺人の様相を呈してきました。
いつものビジネスシーンは一転し、恐怖と謎に包まれていきます。
犯人は誰なのか?職場の人間なのか?平田則夫は誰なのか?

第1章は、「トラベルサーカス」スタッフ全員で考えました。タイトルは未定。最終章が出来上がった時に命名したいと思っています。8回目が最終回の予定です。
誰か、この続きをナントかして〜。

〈第1章〉 

 「ドーカイ、ドーカイ」威勢のいい掛け声とラッパやドラの軽快な音が、朝早くから鳴り響いている。藤崎八旛宮秋季例大祭の「朝随兵」は 夜明けとともに始まる。熊本を代表するこの祭りは、神輿に付き従う「随兵(ずいびょう)」と「飾り馬」の奉納行列である。以前は、朝鮮出兵から帰った熊本城主・加藤清正の凱旋祭りとも云われ、「ボシタ祭り」と呼ばれていた。隣国への配慮やうんぬんで、祭りの名称と「ボシタ」の掛け声が 変わったのが1990年のこと。今は、飾り馬もさして暴れることもなく、随兵が引く「やぐら」も高く組むことはない。壇上で口上を述べる凛々しい姿も 見ることはできなくなった。だが、ねじり鉢巻きに法被姿、扇子やひしゃく、日傘を手にした勢子(せこ)達が、馬をあやしながらラッパの音に合わせて練り歩く、この勇壮な祭りの熱狂的なファンは多く、町中が熱気に沸き立っている。この大祭が終わると、熊本に本格的な秋が訪れる。

平田則夫は5年振りの熊本を噛みしめていた。跳ね上がる紫と白の縞模様の馬の飾りを見つめながら、苦い記憶の扉を開き始めていた。『どうしても奴に聞きたいことがある。終わった事だと諦めようともしたが駄目だった。ここまで来るのに5年もかかったのだから』
 ラッパの音に呼応するかのように、パトカーのサイレンが聞こえてきた。



 12時50分、お昼休みも終わろうとしていた。加奈子は、同僚の江美と軽く化粧直しをして自分の机に戻ろうとしていた。秘書室のドアが開いていて、数人が取り巻くように立っていた。『何かあったのかな・・・』いつもなら一番早く席に戻り、皆の動向をチェックしているかのようなお局秘書の中沢も、ぼう然と立ち尽くしている。
 「誰か、救急車、あ、警察」室長の甲高い声が、凍てついた空気を破った。急に、静止画面が動き出したような慌ただしさに変わった。小走りの足の間から、見慣れない光景が目に入った。誰かがうつ伏せに倒れている。背広の真ん中あたりにナイフが突き刺さっている。
 『――殺人!』、目前のあまりのリアルさに、加奈子はどこかドラマでも見ているような気分になった。『祭りの最中に殺人事件、しかも私の会社で!!』 隣で身を固くしていた江美 が震える声で、「あ、あれは、会長じゃない?」と耳打ちした。『嘘でしょう?だって会長は京都に出張中で、帰るのは今日の夜のはず』、声にならなかった。

 住宅のリフォームをしている吉原の会社は、繁華街から歩いて10分ほど、近くに藤崎八幡宮、その先には警察署と市民公園があり、緑が多く恵まれた 環境にある。自社社屋の1階はショールームになっていて、右奥に秘書室と経理部がある。2階は営業部と企画広報部と倉庫、3階は会長である吉原の自宅になっている。  
 おかしいことに、わが社には社長がいない。会長は49歳の独身で、離婚経験があるらしいが、前の奥さんのことは誰も知らないし、子供がいたかも判らない。顔はブサイクだけどスラリとした長身のお陰で、遠目にはカッコよく見えるらしい。喜怒哀楽が激しいが無邪気な人情家、憎めない性格が 人生をややこしくしている気がしてならない。第一、秘書は代々お手付きであると噂が流れている。
 しかし入社して1年余り、加奈子は一度も会長から迫られたことはなかった。


続く


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